…、そういうことだったのね。

●余録:「試し行動」あるいは「テスティング」という…
『「試し行動」あるいは「テスティング」という児童心理の用語がある。わざと親や養育者を困らせ、自分への関心や愛情を試そうという問題行動だ。いわば自分が相手に依存しているからこそ起こす行動で、場合によっては暴力や暴言で相手を怒らせることもある▲まさか一国の政策を児童心理で読み解けるはずがないと思うのは大人の常識だ。だが食糧やエネルギーを他国の援助に頼り、国民に極貧の暮らしを強いながら、自らが依存する国際社会をミサイルや核開発で脅かす−−そんな国家行動を大人の常識で理解しようとしてもなかなか難しい
▲打ち上げ準備が進められているとして日米両国が警戒を続けてきた北朝鮮弾道ミサイルだ。事前に発射を思いとどまるよう強い警告も行われていた。そのなかで何発ものミサイルが次々に発射されたのだ。いったい何をどう考えての所業なのか、誰しも首をかしげるところだ▲北朝鮮への金融制裁を続ける米国を直接交渉の場に引き出そうという狙いを指摘する声がある。それに加え拉致問題追及を緩めぬ日本への揺さぶりの意図を見る向きもある。要するにわざと乱暴をして相手の関心をひきつけようという「試し行動」だ▲ミサイルと核の時代は、お互いの国民を人質に取り合う核戦略をはじめ奇妙で恐ろしいアイデアが次々に生まれた。だが国際社会の目を引くためにミサイルを花火のように打ち上げるというのは新機軸だ。まさに大人の常識では考えられない愚行である
▲その子供じみた企てに各国が戸惑った今まではともかく、いつまでも国際社会が物騒な「試し行動」の相手をしてくれると思ったら大間違いだ。愚かしい行為がもたらす外交的ツケはきちんと自分で支払うのが大人のルールである。』
毎日新聞 2006年7月6日 東京朝刊)

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/yoroku/news/20060706ddm001070007000c.html

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北朝鮮=M科H律ではなく…という罠。
□時には「暴力や暴言で相手を怒らせることもある」の段と、「その子供じみた企てに〜」の段に、痛く感じ入るものがありました(ミサイル発射とまったく関係ねぇ)。
□外交的ツケですか…、私もその点未熟ですので、忘れないようその時々に払わせることにいたします。